映画「ジョゼと虎と魚たち」あらすじ

麻雀屋でアルバイトする大学生の恒夫(妻夫木聡)は
ある日妙な噂を聞いた。
ここいらを明け方、徘徊する老婆がひいている乳母車。
布ですっぽり覆われて その中身は 何かわからない。
客達は 口々に ヤクじゃないか、金じゃないかと色めき立つ。
恒夫は 興味はとくに湧かず 店主の大事にしているミミちゃん(ダックスフンド)の散歩を 面倒くさそうに出かけるのだった。

店に帰ろうと 散歩をきりやめた途端 乳母車が
坂から勢いよく降りてきた。
「止めたって」と老婆が叫ぶ乳母車の中を恐る恐るみたら そこには 包丁を持って震えている女の子がいた。
それが 恒夫とジョゼ(池脇千鶴)との出会い。

ジョゼは久美子と名前があったが
フランソワーズサガンの本の中の主人公ジョゼに惹かれ
自らジョゼと名乗るのであった。

恒夫は この脚の悪い身体障害者のジョゼに興味をもち
頻繁に老婆の家を訪ねるようになった。
ジョゼと老婆は また来よった、と言って 別段いやがることもせず 恒夫にご飯を与える。
煮物や卵焼き、ジョゼは脚が悪いながらも よく料理をする。キッチン台からピョンと降りる姿にビックリする。
部屋も、キッチュに女の子らしく 鏡台の中に化粧品がまとめてあり 綺麗に片付いている。
老婆が 近所からまとめて古本をごっそり持ち帰り
ジョゼは普段読書をして過ごしているのだった。

福祉に興味がある恒夫の彼女の協力もあって
ジョゼの家を助成金を使って もっと使い勝手をよく
リフォームすることにした。
恒夫の彼女を見たジョゼは 機嫌が悪い。
せっかくとりはからってくれた恒夫に悪態をついて
もう来るな、と言ってしまう。
数日、恒夫は 老婆が死んだことを聞き
ジョゼがひとりで暮らしている家に 急いで駆けつけた。
最初は意地を張っていたジョゼが
涙ぐみ、「帰らんといて」と 恒夫に抱きつくのであった。

映画「ジョゼと虎と魚たち」感想

恋愛映画です。 恒夫は大学生で 彼女を作ったり また恋愛とは別に異性と身体の関係をもったりと 真面目だとはいえない学生なのですが、そこが ジョゼという身体障害者と恋をするという重い話を 軽く、または せつなくさせている要因でもあるように思えました。

何も考えていない恒夫に比べて ジョゼは頭が良く
恒夫の性格も見抜いており ある日 恒夫がジョゼを家族に
紹介すると言って出かけた日も
土壇場になって気が引けた恒夫に気づき
海に行け、と進路変更させました。

その提案に助かったんだと思います。
初めて観た海や 初めて泊まったラブホ 感動するジョゼの目線から ジョゼの気持ちを思うと
始終涙がとまらなかったです。

「いつか あなたはあの男を愛さなくなるだろう。
そして、いつかぼくもまた あなたを愛さなくなるだろう。われわれはまたもや孤独になる、
それでも同じことなのだ。そこに、また流れ去った一年の月日があるだけなのだ」
サガンの詩を口ずさむジョゼの言葉と
誰もが通り過ぎる風景を 映像の中で見事に表現している
この作品は 生涯忘れられないです。